トマトは夏の庭でよく見られる野菜の一つですが、トマトが完熟するまでには一定の時間がかかります。
開花から40〜50日程度の時間が必要となります。
この記事では、トマトが赤くならない原因とその対処法について詳しく説明します。
ぜひ、家庭菜園の参考にしてくださいね＾＾
トマトが赤くなる仕組み
トマトがその鮮やかな赤色を得るのは、リコピンという色素のおかげです。
トマトが熟すとき、最初はクロロフィル（緑の葉緑素）が多いため緑色をしていますが、成熟が進むにつれてクロロフィルが減少し、リコピンが増えていき、最終的に赤く変わります。
加えて、トマトが熟す過程で、カロチンやルティンのような別の色素も生み出されます。
これらの色素の比率によって、トマトの種類により赤、オレンジ、黄、紫、茶色といった様々な色が現れます。
トマトが色づくまでに必要な期間は？
トマトが完全に色づくまでの時間は、種類によって異なります。
例えば、ミニトマトや中玉トマトは約40～50日、大玉トマトは約50～60日が必要です。
積算温度
色の変化には、日照時間や特に気温が重要な役割を果たし、積算温度と呼ばれる収穫までに必要な総温度が800～1000℃に達した時点で始まります。
トマトの健康的な成長には、十分な日光が必須です。
日光
日光がないと、植物は適切に成長せず、病気にかかりやすくなります。
プランターで栽培する場合、温度が不足しているときは日当たりの良い場所へ移動させたり、保温材を使ったりすることが推奨されます。
栄養
栄養不足もまた、トマトの成長や色づきに悪影響を及ぼすことがあります。
葉が小さく黄色くなったり、上を向いたりする場合は、リン酸を多く含む肥料を追加することが有効です。
ただし、窒素成分の肥料を過剰に使うと、葉が過剰に成長し、風通しや日照が悪くなるため注意が必要です。
滴果と摘芯
また、摘心や摘果を行うことで、トマトの成長をコントロールし、既になっている果実を大きくすることができます。
8月ごろに、最上部の花房の上の葉を数枚残して主茎を取り除くことで、果実に栄養がより効率的に行き渡ります。
トマトを赤くするための対策方法
トマトがうまく赤くならない時には、いくつかの対策が効果的です。
最初に確認するべきは、トマトが適切な積算温度を受けているかどうかです。
不足している場合は、もう少し時間を与えることが必要かもしれません。
また、定期的に行うべきわき芽取りや摘心、摘果がきちんとされているかも見直してみましょう。
これらの管理をしっかり行うことで、果実に栄養が均等に行き渡り、きれいな赤色になる可能性が高くなります。
保温
トマトを暖かく保つことも、色付きを良くするために役立ちます。
例えば、トマトをポリエチレン製の袋に入れて口を閉じると、温度が上がり、赤くなりやすくなります。
また、天候が悪くて赤くなりにくい時には、ビニールや不織布を使って温度を保つと良いでしょう。
不織布は、光も空気も通すので、日中でもトマトにかけておくことができます。
葉かき
葉を取り除く、つまり葉かきも、色付きを改善するのに有効な方法です。
収穫が終わった花房の下の葉を取り除くことで、風通しが良くなり、直接日光が果実に当たりやすくなります。
これにより、光合成が効率的に行われ、植物が健康に育ちます。
育成調整剤
生育調整剤を使うことも、果実の熟成を促進し、収穫量を増やす手段として考えられます。
「エスレル10」や「トマト―ン」などの製品を薄めて葉に散布すると、効果が期待できますが、家庭菜園での使用は少し難しいため注意が必要です。
追熟させる
最後に、追熟させる方法もあります。
青いトマトを日の当たる場所に置くと、1週間程度で赤くなります。
この方法は、トマトの風味を高め、含まれる微量の毒素も減らす効果があります。
りんごを一緒にビニール袋に入れておくと、追熟が早く進むことがあります。
青トマトを美味しく食べる方法
青トマトはその酸っぱさを生かして、ピクルスや軽い漬物として味わうのが一般的です。
ジャムにしてみたり、ソテーやフライにすると、独自の食感を楽しむことができます。
一押しは、甘酸っぱいチャツネを作ること。
たまねぎを炒め、ブラウンシュガー、りんご酢、そしてクローブやアニス、カルダモンなどのスパイスを加え、ゆっくりと煮詰めることで完成します。
まとめ
トマトが完全に赤くならない原因とそれに対応する方法を紹介しました。
適切なわき芽取り、摘心、追肥をすることにより、赤トマトの収穫量を増やすことが期待できます。
栽培するトマトの種類によっては難易度が上がりますが、特に初心者は深めのプランターでミニトマトから始めることで、栽培の成功率を高めることができます。
土が完全に乾いたらたっぷりと水をやり、水が鉢底から漏れるまで続けることが、トマトの甘さを最大限に引き出すコツです。
トマトに付きやすい害虫についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
