サトイモは、そのユニークなもっちりした食感で、伝統的な日本料理、特に芋煮において欠かせない食材です。
栽培には時間がかかりますが、手順は比較的シンプルであり、庭の畑だけでなく、家庭用のプランターで育てる事も可能です。
初めての方でも気軽に試せるよう、この記事ではサトイモの栽培方法について、植える時期、方法、水のやり方、適切な肥料の使い方、土の準備、そして収穫方法まで、各ステップを丁寧に説明していきますね。
家庭菜園で自分で育てたサトイモの美味しさは格別です!
お子さんのおやつにも健康的で良いですよ♪
里芋はどんな野菜?簡単に育てられる?
項目 | 詳細 |
---|---|
連作障害 | あり(3〜4年間隔を空ける) |
栽培期間 | 4月〜11月上旬 |
生育適温度 | 25〜30℃ |
里芋、またの名をサトイモは、サトイモ科に属する根菜で、その起源は東南アジアにあります。
中心に位置する「親芋」と呼ばれる比較的大きな地下茎を持ち、その周囲には複数の「子芋」が形成されます。
サトイモの葉柄、通称ズイキも食用として重宝されています。
初心者でも挑戦しやすいサトイモは、水分を多く含む土壌を好み、乾燥には弱い性質を持っています。
そのため、他の作物が育ちにくい湿度の高い場所でも栽培可能です。
かつては水辺や田んぼの周辺でよく見られる栽培方法でしたが、現在では様々な環境での栽培が行われています。
栽培の成功には、「土の乾燥を避ける」ことと「追肥を施した土を植物の周りに寄せる(土寄せ)」ことが重要です。
また、早生種と晩生種がありますので、自分の好みに合った品種を選んで栽培することができます。
里芋の生育に適した環境
育てる環境としては、サトイモは日当たりと通風性の良い場所を好みますが、半日陰や日陰の場所でも成長します。
ただし、健康的な植物を育てるためには、十分な日光が望ましいです。
適した気温は25度から30度で、地温を上げることで生長を促すことができます。
畝にマルチを敷くことで地温を高め、生長を早める効果が期待できます。
サトイモは雨が豊富な夏季に成長するため、適切な水分管理が肝心です!
里芋の植え付けについて
植え付けの最適期間は、春の始まり、4月初旬から5月初旬にかけてが理想的です。
この時期に種芋を地中に埋めます。
種芋の選び方
ふくらみがあり、形の整った種芋を選択することが大切です。
すでに芽が顔を出している種芋は成長が期待できます。
芽がまだのものは、植え付け前に芽を出させる準備をします。
土壌の準備
土壌の準備は下記のスケジュールで行います。
・植え付け2週間前:苦土石灰100gを1平方メートルあたり散布し、土を耕します。
・植え付け1週間前:同面積に堆肥2Kgと化成肥料100gを施し、再び土を耕します。
・植え付け直前:幅70cm〜80cmの畝を作ります。
植え付け方法
- 溝の作成:畝の中心に深さ10cmから15cmの溝を掘ります。
- 種芋の配置:芽を上に向け、45cmごとに種芋を配置します。
- 土を戻す:溝に土を戻し、種芋が均一に覆われるようにします。
- 水やり:土を軽く圧縮した後、十分に水を与えます。
- 病害虫対策:株元にわらを敷くか、マルチシートを使用します。
マルチングのコツ
地温を高めるためにマルチシートの使用を推奨します。
これにより成長が促進されますが、土寄せができなくなるため、少し深めに種芋を植え、元肥を十分に施してください。
芽出し方法
種芋に芽が出ていない場合は、芽出しを行いましょう。
- 準備:育苗ポットやプランターに土を入れ、種芋を仮植えします。
- 芽出し:種芋に軽く土をかけ、温かい場所で保温します。
- 水やり:土が十分に湿るまで水を与え、1ヶ月で芽が出始めます。
- 定植:芽が成長したら、本植えの準備をします。
種芋の選択
種芋の選定の際は、「子イモ」ではなく、より生育が良い「孫イモ」の使用が推奨されます。
ここまで解説した手順に従えば、里芋栽培を成功させることができますよ^^
里芋への肥料の施し方
里芋の栽培では、成長期に応じて複数回にわたり追肥を行います。
初回追肥
5月下旬から6月中旬、本葉が3枚展開した段階で実施します。
各株の周囲に、一握り程度(約10~20グラム)の化成肥料を均等に散布します。
株の直近ではなく、根を傷つけないように少し離れた位置に施します。
肥料を散布後、土と混ぜ合わせてしっかりと株元に土寄せを行います。
これにより、子芋の発育を促し、地上に芽が伸び出るのを防ぎます。
二回目追肥
6月下旬から7月中旬にかけて実施します。
初回追肥と同様に、各株に化成肥料を散布し、土寄せをします。
三回目以降の追肥
二回目の追肥後は、生育状況を見ながら月に1~2回、追肥と土寄せを繰り返します。
特に、小芋から伸びるわき芽は取り除くか、土で覆ってしまうことが推奨されます。
里芋の水やり
里芋は乾燥に非常に弱いため、特に夏の乾燥する時期は水やりを怠らないようにします。
ただし、地植えの場合は日常的な水やりの必要は少なく、土が完全に乾くことがないように注意します。
マルチの使用
マルチを使用することで地温が上昇し、里芋の成長が促進されるほか、乾燥、雑草、害虫の予防にも効果的です。
畝にマルチを敷く際は、水たまりができないように畝を適切に形成します。
芽がマルチを突き破ったら、穴を開けて外に出してあげます。
成長促進のため、6月中旬にマルチを剥がすことが一つのコツです。
このように、適切な肥料の施し方、水やり、マルチの使用法を実践することで、里芋栽培の成功率を高めることができます。
里芋(サトイモ)の収穫方法とタイミング
サトイモの収穫期は、秋の早い段階、具体的には10月初めから11月半ばにかけてとされています。
葉が枯れてくると、収穫の時期が近づいているサインです。
最適な収穫時期は、霜が降りる前に完了させることが望ましいです。
収穫の手順は以下の通りです。
- 地上部分を刈り取り、除去します。
- スコップを使って、株から約30cm離れた場所で土を掘り起こします。
- サトイモを損傷させないよう慎重に手で掘り出し、収穫します。
プランターでのサトイモ栽培の可否
サトイモは基本的に乾燥に弱く、湿った粘土質の土壌を好むため、基本的にはプランターでの栽培は推奨されていません。
しかし、適切な水分管理が行える場合、特に深さが30cm以上のプランターを使用することで、地植えに近い条件を作り出し、成功させることが可能です。
栽培中の病害虫管理
サトイモは比較的病害虫の被害に遭いにくいものの、アブラムシやヨトウムシによる被害を受ける可能性があります。
化学的な殺虫剤の使用は避けたいため、発見次第、粘着テープでの物理的な駆除が推奨されます。
さらに、害虫の侵入を防ぐために、株元にわらを敷くなどの予防措置が有効です。
サトイモの増やし方
サトイモは種芋を使って増やすことができます。
収穫したサトイモの中から健康で傷のないものを選び、保存することが重要です。
保存方法として、親イモと子イモを分けずに全体を保管することが推奨されます。
ただし、畑での越冬保存は、土中で凍結や腐敗のリスクがあるため、一般的には推奨されません。
里芋(サトイモ)栽培の成功の秘訣
里芋栽培で覚えておきたい4つの重要ポイントを理解し、健康的な植物の育成を目指しましょう。
- 栽培期間は比較的長いが、管理はシンプル:里芋は成長期間が長く設定されていますが、日々の手入れは比較的容易です。
- 適切な種芋の選択:発芽を促すためには、先端部から芽が既に出ている種芋(芽出し済みのイモ)を選ぶと良いでしょう。
- 適正な生育温度の維持:サトイモの生育には25~30度の温度が理想的ですが、霜には非常に弱いため、霜が降りる前に収穫を終える必要があります。
- 水分管理の徹底:乾燥に非常に弱いため、特に夏場の乾燥する時期には水やりを忘れずに行い、収穫量の低下を防ぎましょう。
まとめ
サトイモ栽培は、その長い期間にもかかわらず管理が比較的簡単であるため、栽培初心者にも推奨される野菜の一つです。
適切な追肥を行うことで、質の高いねっとりとしたサトイモの収穫が期待できます。
収穫期の土を掘る作業は、非常に心地良いものです。
収穫の喜びを経験するためにも、ぜひ里芋栽培にチャレンジしてみてくださいね。