ブルーベリーは、夏の間に6月から9月まで鮮やかな青い実を豊富に実らせる、人気の高い果実です。
栽培も比較的簡単で、庭での家庭菜園として楽しんでいる人も多いです。
ブルーベリーは、春には美しい花を咲かせ、夏には果実を収穫し、秋には葉が紅葉するなど、季節ごとの変化を楽しむことができます。
この記事では、ブルーベリーを挿し木で増やす方法についてご紹介しますね。
ブルーベリーを挿し木で増やす2つの方法
ブルーベリーを挿し木で増やすには、「休眠枝挿し」と「緑枝挿し」の2つの方法があります。
挿し木は、親木から枝を取り、土に植えて新しい苗を育て上げる技術です。
ブルーベリーの場合、時期に応じてこれらの増やし方を選択します。
各方法については、後で詳しくご説明します。
ブルーベリーの挿し木に適した時期
ブルーベリーの挿し木に最適な時期はいつなのでしょうか？
「休眠枝挿し」は、春の初め、新芽が出る直前の3月から4月が最適です。
この時期には、冬の剪定で取り除かれた枝を使用できます。
剪定で得られた枝は、湿ったキッチンペーパーに包んで冷暗所に保管しておきます。
この方法では、成長速度が遅いため、特に家庭菜園に適しています。
「緑枝挿し」は、果実の収穫期前の6月が適しています。
夏の剪定で得られる、その年に新しく伸びた枝を利用します。
この方法では成長が速いですが、温度を30℃以下に保つなどの温度管理が求められ、少し手間がかかります。
ブルーベリーの挿し木で必要なもの
ブルーベリーの増殖に挿し木法を用いる場合、事前にいくつかの用具を用意することが必要です。
挿し木に必要な物品は以下の通りです。
- 育苗用の箱や6cmサイズのポット
- 育苗用土（ピートモス単独またはピートモスと鹿沼土の中粒を5:5の比率で混ぜたもの）
- 剪定で得たブルーベリーの枝
- 切り取り作業に適した鋭いナイフやカッター
- 水を入れた容器
以下では、ブルーベリーの挿し木方法について具体的に説明します。
休眠枝挿しの手順
挿し穂の準備
冬に剪定した枝を、約10cmの長さに切り分けます。
枝の基部をナイフで削り、2cmと1cmの断面をそれぞれ作り、これらを3時間水に浸します。
作業中は枝が乾燥しないよう、常に水を入れた容器に保管します。
挿し穂の植え付け
ピートモスを水で湿らせ、育苗箱やポットに充填します。
挿し穂を土に挿入し、間隔を5cm空けて配置します。
挿し穂を土に3分の1の深さまで挿し、その後、水やりをします。
管理方法
明るい日陰で挿し穂を管理し、乾燥しないよう注意します。
新芽が伸びてきたら、鉢やポットへの植え替えを行います。
発根には約3ヶ月を要します。
緑枝挿しの手順
挿し穂の準備
夏の剪定時に得た新梢を、水に入れて乾燥から守ります。
新梢を10cmの長さに切り、上側の2枚の葉を残し、他の葉は取り除きます。
枝の基部を同様に削り、断面を作ります。
挿し穂の植え付け
休眠枝挿しと同じく、育苗箱またはポットに挿し穂を植え付けます。
管理方法
栽培適温は約30℃です。適度な日陰で管理し、毎日たっぷりと水を与え乾燥を防ぎます。
9月下旬になったら、徐々に日当たりの良い場所に移します。
12月頃には落葉しますが、この時期にはしっかりと根付いているため、鉢上げして育てます。
発根までには2〜3ヶ月かかります。
ブルーベリーの挿し木による増やし方、成功のコツ
挿し木でブルーベリーを増やす際に大切なポイントは、主に次の2つです。
- 枝を切る時は、清潔で鋭いナイフを使って、きれいに一度で切り落とし、滑らかな断面を作成することが大事です。
- 挿し木に使う土、特にピートモスを使用する場合は、十分に水を吸わせて湿らせておく必要があります。
挿し木による根付きの成功率は、だいたい70%くらいだと言われています。
より確実に成功させるためには、多めに挿し木をしておくことが推奨されます。
ブルーベリーの挿し木方法と適切な時期｜まとめ
挿し木をしたブルーベリーは、植えた翌年には花をつけ始めますが、収穫が安定するまでには約3年かかります。
その期間でも、美しい花や紅葉を楽しむことができ、成長する様子を見守ることができるので、その過程も楽しむことができます。
ぜひご家庭で人気のブルーベリー栽培を楽しんでみてくださいね。